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高血圧とお薬のお話

高血圧治療における投薬の必要性(循環器科 富永 洋功)

「血圧の薬は一度飲み始めたら一生飲まないといけないでしょ?」
循環器の外来では、毎日一度はこの手の質問をするかたがおられます。ある意味正しいのですが、皆さんの本音は「一度飲み始めたら、薬に頼り切ってしまい辞められなくなってしまうから、出来るだけ飲みたくない」と言うあたりにあるのではないかと思います。
高血圧の薬には「中毒性」「依存性」はありませんので辞められない体になるわけではありません。今高血圧は「体質」+「生活環境」+「食生活」で発病すると考えられております。このうち、「生活環境」や「食生活」は努力次第で変えることができますが現代医学は「体質」を変えるまでには進歩しておりません。では、個人の努力で「生活環境」や「食生活」を改善するにはどれくらいの時間がかかるのでしょうか?一説によると最低でも半年はかかると言われております。薬を飲まないということはこの半年間は高血圧の危険性にさらされたままと言うことになります。
血圧は一日でも早くに下げたほうが良いし、薬で下げても本質的には下がったわけではないので個人の努力が必要ですし、努力をしないで他力本願ではやはり一生薬を続けることになるでしょう。ちなみに私の外来でも1年に数人の方は薬をやめることができる人がいます。

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